ASPITを活用したフードロス削減への道筋のご提案
レシピ・売上・在庫・発注・勤怠をつなぐ外食企業向けソリューション サステナビリティ特集(サステナウィーク2025企画)
目次
ASPITが描く「持続可能な外食産業」への道筋
外食産業が直面する環境課題は、一つではありません。
▶ 紙の大量消費(請求書、発注書、納品書…)
▶ 食品廃棄(フードロス、過剰在庫)
▶ CO₂排出(輸送、廃棄物処理)
ASPITは、これらの課題に対して段階的かつ着実なアプローチでソリューションを提供します。
(サステナウィーク2025のテーマ「フードロス削減」)
昨年2024年度では、請求書電子化で「紙のロス」削減をテーマに提案をおこないました。
2025年度は、より大きな環境課題である「食品ロス」削減に挑みます。
なぜフードロス削減なのか?
日本の食品ロスの現状
▶ 年間食品ロス:約464万トン(2023年度推計:環境省・農林水産省・消費者庁)
▶ うち事業系食品ロス:約231万トン(食品関連事業者)
▶ 事業系食品ロスのうち、外食産業分野は約66万トン(事業系の29%)
外食産業は、日本の食品ロス問題の大きな部分を占めています。
外食企業が直面する三重苦
▶ 原材料の高騰…食材仕入れ価格の上昇
▶ 人件費の上昇…最低賃金の引上げ
▶ 光熱費の負担増…エネルギーコスト増

はじめに ~フードロス削減は「コスト削減」と「ブランド価値向上」の両立テーマ~
原材料費・人件費・光熱費の高騰に加え、サステナビリティやESG投資への関心の高まりにより、外食企業には、
▶ 食材ロス・廃棄をいかに減らすか?
▶ 利益を確保しながら、環境負荷をどう下げるか?
という両立がこれまで以上に求められています。
しかし、飲食店の現場では、次のようなお悩みをよく伺います。
・原材料の欠品が怖く、どうしても必要数より多めに発注してしまう
・POSの売上データはあるが、どのメニューがどの食材をどのくらい使ったかが見えない
・廃棄ロスはなんとなく把握しているが、金額ベースで正確に集計できていない
・理論在庫と実棚の差が大きく、原因がはっきりしないまま毎月の棚卸が終わっている
こうした状況を踏まえ、私たちはASPITを活用し、
「レシピ管理 → 売上出庫 → 仕入入庫 → 廃棄ロス → 理論在庫 → 発注支援」までを一気通貫でつなげることで、フードロス削減と経営改善を同時に実現する仕組みをご提案いたします。
2.フードロス削減のカギは「見える化」と「仕組み化」
フードロスは、「やる気」や「意識」だけでは減りません。
・数字で現状を把握する「見える化」
・現場で無理なく回る「仕組み化」
この2つがそろって初めて、継続的な改善が可能になります。
ASPITは、もともと外食企業向けの受発注管理・売上管理・勤怠管理を基盤として育ってきたシステムです。その強みを活かし、以下のような流れで貴社のフードロス削減を支援します。
3.ASPITで実現する「フードロス削減への道筋」

①レシピ管理(メニューごとの標準原価と食材使用量を一元管理
・メニューごとの使用食材・使用量・歩留りをASPITに登録
・1品あたりの理論原価・原価率を自動計算
・このレシピ情報を、
▶ 理論原価
▶ 売上出庫(理論出庫)
▶ 仕入入庫
▶ 理論在庫
の「共通の基準」として活用します。
② 売上出庫(理論出庫)…POS売上と在庫をつなぐ
・売上データ(出数)×レシピ情報から、「本来出庫されるべき食材量(理論出庫量)」 を自動算出
・「どのメニューが、どの食材を、どれだけ消費しているか」が分かり、メニュー別・カテゴリ別の粗利やロス要因分析に活かせます
③ 仕入入庫管理…納品される食材の量を正しく押さえる
・ASPIT発注・仕入データから、食材ごとの「入庫量・仕入単価」を管理
・仕入先別・品目別の仕入動向を把握し、仕入条件の見直しや規格統一にもつなげます
④ 廃棄ロス管理…ロスを「なんとなく」から「数字」で把握
・廃棄が発生した際に、品目・数量・金額・理由(期限切れ/仕込み過多/調理ミス 等)を登録
・店舗別・品目別・理由別のロス金額をレポートで可視化し、どこから手を付けるべきかが明確になります
⑤ 理論在庫と棚卸(実棚)の乖離分析
・「期首在庫 + 仕入入庫 - 売上出庫 - 廃棄ロス = 理論在庫」を算出
・棚卸で得た実棚との乖離を分析し、廃棄の未登録、入出庫の漏れ、適正な歩留り設定、店舗オペレーション上のロス、などの要因を浮き彫りにします。
⑥ 発注支援…仕入量の適正化でフードロスを元から減らす
・過去の売上実績データ・理論在庫・棚卸差異・廃棄傾向・季節要因(繁忙日、イベント)などを加味して、ASPIT上で適正な発注量を提示
・適正在庫・下限在庫・1回当たりの発注量等をルールとして設定し、過剰な発注にブレーキをかけます。
結果として、「足りない不安を抑えつつ、“ちょうど良い適正な発注量“を自動で後押しする仕組み」を店舗に提供できます。
4.居酒屋チェーンを想定したモデルシミュレーション
以下は、駅前立地の居酒屋チェーンを想定したモデル試算です。
▶ 店舗数:5店舗
▶ 1店舗あたり月商:800万円
▶ 食材原価率:35% → 食材原価:280万円/月・店舗
▶ 現状の廃棄ロス:食材原価の5% → 14万円/月・店舗
ASPITによる見える化と発注支援により、廃棄ロス率を 5% → 3%(▲2ポイント) まで改善できたケースを想定すると…
・1店舗あたりのフードロス削減額
▶ 14万円 – 8.4万円 = 5.6万円/月
・5店舗合計
▶ 月間:5.6万円 × 5店舗 = 28万円/月
▶ 年間:28万円 × 12か月 = 約336万円/年 の原価削減
さらに、平均食材単価を800円/kgとすると、
▶ 1店舗の廃棄量(導入前):14万円 ÷ 800円 ≒ 175kg/月
▶ 廃棄ロス率3%の場合:8.4万円 ÷ 800円 ≒ 105kg/月
▶ 1店舗あたり削減量:約70kg/月
▶ 5店舗合計:70kg × 5店舗 × 12か月 = 約4.2トン/年 の食品廃棄削減
5.ASPIT導入の進め方
貴社のご状況にあわせ、無理のないステップでの導入をおすすめしています。
- 現状ヒアリング・簡易診断
・レシピ管理・売上・在庫・廃棄・発注の現状をヒアリングし、フードロス削減に向けた課題と優先順位を整理します。 - モデル品目・モデル店舗の選定
・ロスの出やすいカテゴリ(鮮魚、生野菜、惣菜など)やモデル店舗を選び、スモールスタートで実証を行います。 - ASPIT設定・連携・試行運用
・レシピ登録、売上・仕入データ連携、発注ルール設定などを行い、数か月間の試行運用で数値と現場の声を確認します。 - 効果検証・全店舗運用開始スケジュールのご提案
・廃棄削減額・在庫金額の変化・業務負荷軽減などを検証し、他店舗・他業態への展開をご提案いたします。
6.「作りすぎない仕組み」を一緒に考えましょう
フードロス削減は、①コスト削減、②環境負荷低減、③ブランド価値向上、のすべてにつながる、これからの外食企業にとって欠かせないテーマです。
ASPITは、単なる「発注システム」ではなく、「レシピ・売上・在庫・発注をつなぐ“経営インフラ“として、貴社のフードロス削減と収益性向上を同時に支援いたします。
「うちの業態・店舗数だとどれくらいの効果が見込めるのか?」
「既存のPOSや基幹システムとどうつながるのか?」
といったご質問にも、貴社の前提条件を伺ったうえでシミュレーションとあわせてご説明させていただきます。ぜひ一度、ご相談ください。

