店舗運営効率化を進めるときのポイントや、効率化を妨げる主な要因について解説します。店舗運営効率化に重要な「ECRS(改善の4原則)」や具体的な施策も紹介するので、店舗運営に課題を感じている経営者の方はぜひ参考にしてみてください。
店舗運営効率化を妨げる主な要因・課題
まずは、店舗運営効率化を妨げる主な要因や課題を整理してみましょう。
・事務作業の煩雑化
・人材不足
・本社指示が行き届かない
事務作業の煩雑化
実店舗を伴う店舗型のビジネスでは接客や販売のイメージが強いかもしれませんが、実際には在庫管理やシフト管理、売上管理など幅広い事務作業をおこないます。
しかし、人手不足などが原因で業務フローが煩雑になり、その場しのぎの対応で非効率的に現場を回している店舗も少なくありません。
人材不足
人手不足も実店舗型ビジネスが抱えがちな問題点の1つです。
特にアパレル業や小売業などでは1人ひとりのノルマが設けられていることもあり、プレッシャーの割に給与面が少ないと感じている従業員も少なくありません。
また、退職者が出るとますます人手不足に陥ってしまい、中には平社員が役職以上のマネジメント業務をおこなっている店舗もあります。
人材確保は問題が生じてから対策をしても間に合わないケースが多く、計画的な人材確保の計画が重要となります。
本社指示が行き届かない
大手のチェーン店や複数店舗を経営している場合、本社からの指示が行き届かないこともありがちです。店舗オーナーが人手不足等の理由でに本来おこなうべきマネジメント業務にまで手が行き届いていなかったり、現場の他業務に追われてしまっていたりといったケースがあります。
また、店舗内のスタッフ間でのコミュニケーション不足なども原因の1つでしょう。
店舗運営効率化のポイント
ここからは、店舗運営を効率化するポイントを紹介します。
・業務内容を細分化する
・店舗運営の効率化を妨げている要因を洗い出す
・課題ごとに改善案を考える
それぞれ見ていきましょう。
業務内容を細分化する
店舗運営に関わる業務内容は多岐に渡るので、細分化して問題点を洗い出すことが重要です。
以下にアパレル店舗経営の仕事内容の一例をまとめました。飲食店では、これに加え調理や配膳などの業務が含まれます。事業内容によって詳細は異なりますが、自店舗が抱えている課題や、ボトルネックとなっている業務フローがどこにあるのか把握してみましょう。
・在庫管理
・売上管理
・商品陳列
・顧客情報管理
・接客
・トラブル対応
・陳列
・スタッフマネジメント
・本社や本部との連携
店舗運営の効率化を妨げている要因を洗い出す
課題点が見えたら、業務効率化を妨げている要因をより具体的に洗い出していきます。
「顧客情報管理」に時間がかかっている場合、以下のような要因が考えられます。
・顧客情報を紙で管理している
・既存顧客の情報を探すのに時間がかかっている
課題ごとに改善案を考える
洗い出した課題に応じて、改善案を出していきましょう。
例えば「顧客情報管理」を紙で管理していて時間がかかっているのであれば、電子データ化して一元管理することで効率化できるかもしれません。
また、引き続き紙で管理する場合も、保管方法を工夫することで探し出すのにかかる時間を削減できる可能性もあります。
このように、複数の案を出して自店舗に適切な改善策を考えましょう。
店舗運営効率化に重要な「ECRS(改善の4原則)」
店舗運営効率化を実践するときは、「ECRS(改善の4原則)」を意識してみましょう。
「ECRSの原則」とは「Eliminate(排除)」「Combine(結合と分離)」「Rearrange(入替えと代替)」「Simplify(簡素化)」の4つの頭文字を取った言葉(※)で、さまざまなビジネスシーンで業務フローの改善に活用されています。
ここでは、上記の4つの具体的な考え方について紹介します。
Eliminate(排除)
改善の4原則によると、業務改善においてまず検討すべきなのが「Eliminate(排除)」です。
例えば慣習化されている朝礼や報告書の記入など、過剰な業務があれば「排除」することを検討してみてください。
判断ポイントとして、「排除」しても売上や成果が落ちない業務は排除して問題ないといえるでしょう。
Combine(結合と分離)
「Combine(結合と分離)」では、作業者個人が担当する業務をなるべく類似化していきます。例えば飲食店のスタッフが2人いる場合、両者が「キッチン」と「ホール」を兼務するよりも、分担した方が効率的であるといった考え方です。
類似性の高い作業を統合し、類似性の低い作業を分離していくことで、1人あたりの作業スピードが上がったり、必要なスキル数を減少できたりといった効果があります。
Rearrange(入替えと代替)
「Rearrange(入替えと代替)」は、簡単にいうと業務フローや業務方法の見直しです。例えばオープン前の作業を入れ替えたり、紙で管理していたデータを電子化したりといったケースが考えられます。
Simplify(簡素化)
「Simplify(簡素化)」が可能な要素があれば導入を検討しましょう。支援システムによる受発注管理の自動化や、必要書類のテンプレート化などが挙げられます。
店舗運営効率化の具体的な施策
ここからは、店舗運営効率化の具体的な施策を解説します。業務の煩雑化で悩んでいる店舗担当者の方は参考にしてみてください。
・業務プロセスの見直し
・DXの導入
・マニュアルの作成・共有
業務プロセスの見直し
業務効率化のためには、業務プロセスの見直しが重要です。特に、まずは課題を抱えている業務について解決策を考えてみましょう。
業務フローを変えるには労力や時間がかかりますが、長期的な目線でみると早めに取り掛かることをおすすめします。
DXの導入
DXとは、デジタル技術をビジネスに活用することです。実店舗型のビジネスであれば、以下のような取り組みができるでしょう。
・セルフオーダーシステムの導入
・モバイルオーダーの導入
・キャッシュレス化
・顧客管理システムの導入
・業務支援システムの導入
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マニュアルの作成・共有
業務のマニュアルを作成するのもポイントです。人手が足りない場合はその場しのぎの作業になりがちですが、マニュアルを作成することで業務が見える化できるだけでなく、新人スタッフにも仕事を覚えてもらいやすくなります。
業務プロセスを見直して店舗運営を効率化しよう
店舗運営効率化のポイントや、具体的な施策について解説しました。業務を効率化させるためには、業務プロセスごとに課題を洗い出して適切な施策をおこなうことがポイントです。
リソースが足りないと感じている場合は、業務支援システムといったDXの導入もおすすめ。店舗運営を効率化して、利益拡大を目指しましょう。