飲食店経営が厳しいといわれる理由や、経営を成功させるために必要な資格や知識について紹介します。開業の流れやおすすめな業務支援システムも紹介するので、これから飲食店経営を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
飲食店経営の現状
飲食店経営者の年収は経営状況によってさまざまですが、問題なくお店が回っている状態であれば500万円以上の収入を得ることも十分可能です。また、中には1,000万円以上の高収入を目指している方も少なくないでしょう。
2023年11月現在では円安の影響もあり(※)、食材の仕入れ価格が全体的にかさみやすくなっている点が飲食店経営の大きな課題です。とはいえ、原価高騰に伴い値上げをする店舗も登場しているため、消費者の中には高い外食費にさほど抵抗のない層もみられるようになっています。
※"三井住友DSアセットマネジメント株式会社 公式HP" 参照
飲食店経営が厳しいといわれる主な理由
飲食店経営は「難しい」と聞いたことのある方もいるかもしれません。ここでは、飲食店経営が厳しいといわれる主な理由を紹介します。
- 初期費用がかかる
- 商業圏刈り取り後のリピーター獲得が必要
- 人手不足に陥りやすい
- 計画性がないと廃業に追い込まれる
それぞれ見ていきましょう。
1. 初期費用がかかる
飲食店は実店舗型のビジネスなので、それなりの初期費用がかかります。
飲食店開業にかかる初期費用は物件の立地やお店の規模によって大きく異なりますが、平均で883万円程度(※)であるとされています。内訳としては、不動産取得費用、工事費用、備品、事務用品などの準備資金などが挙げられるでしょう。
コンセプトやブランディングにこだわる場合は特に、インテリアや厨房機器、集客費用などに資金を割きすぎてしまうケースもあります。
初期費用をかけすぎてしまうと元手を回収するまでに時間を要してしまい、経営難のリスクが高まるため注意が必要です。
2. 商業圏刈り取り後のリピーター獲得が必要
飲食店を含む実店舗型のビジネスでは商業圏が存在します。商業圏とは簡単にいうと集客が可能な範囲(エリア)のことです。
オープン仕立ての頃は物珍しさもあって多くの近隣住民が足を運んでくれますが、一通り来客を終えた後はリピーターや常連客を獲得しなければなりません。
観光地のような特殊な立地の場合は当てはまらないケースもありますが、これも飲食店経営が「難しい」とされる理由の1つでしょう。
3. 人手不足に陥りやすい
人材不足も課題の1つです。
店舗によっては給与面での不満や人間関係のトラブルなどで、スタッフが短期間で離職してしまうケースも少なくありません。人手不足に陥ってしまうと現場がまわらなくなり、最悪の場合お店を畳まなければいけなくなってしまいます。
4. 計画性がないと廃業に追い込まれる
計画性はどのビジネスでも重要ですが、飲食店経営では初期費用を早期回収する必要があるほか、毎月の固定費も発生するので、資金繰りが悪化すると経営難に陥りやすいです。
また、食材は在庫を抱えることも難しいので、継続的な利益を上げるためには仕入れ管理も徹底しなければなりません。
飲食店経営をするために必要な資格や知識
ここからは、飲食店経営をするために必要な資格や知識を紹介します。これから飲食店の経営を考えている方は参考にしてみてください。
資格の取得
必要な資格
・食品衛生責任者
・防火管理者(30人以上の場合)
飲食店の立ち上げにあたり、経営者は上記の資格を取得する必要があります。
「食品衛生責任者」は営業許可申請をする際に必要な資格で、飲食店全般の開業に必須です。各都道府県の食品衛生協会が定期的に講習を開催しているので、開業前に取得するようにしましょう。
お店の規模が収容数30名以上の場合、「防火管理者」も必要になります。日本防火・防災協会が講習を開催しており、お店の面積に応じて、「甲種講習」または「乙種講習」を受講します。
知識とスキルの習得
必要な知識とスキル
・簿記
・マーケティングスキル
・マネジメント力
資格のような義務はないものの、適切な経営のために知識やスキルも習得しておく方がよいでしょう。
収支管理をおこなうための「簿記」や、集客に役立つ「マーケティングスキル」のほか、スタッフ管理や人材育成を円滑に進めるための「マネジメント力」も押さえておきたいスキルです。
飲食店経営で成功するポイント
続いて、飲食店経営で成功するためのポイントを紹介します。
・コンセプトを明確にする
・業務のマニュアルを作成する
・DXを取り入れる
コンセプトを明確にする
飲食店を独立開業する場合、コンセプトを明確にすることはとても重要です。
内装やメニューなどの設定時はもちろんのこと、コンセプトが決まっていなければお客さんを呼び込むこともなかなかできません。
店舗経営に欠かせないリピーターの獲得や、遠方からの来客を増やすためにも、コンセプト決めにはしっかりと力を入れましょう。
業務のマニュアルを作成する
業務のマニュアルを作成するのもポイントです。特に個人経営で少人数からオープンする場合は、細かなルールに手が回らないことも多いですが、長期的に運営するのであれば業務フローはしっかり整備しておきたいところ。
マニュアルを作成することで業務が見える化できるのはもちろん、新人スタッフにも仕事を覚えてもらいやすくおすすめです。
DXを取り入れる
DXとは、デジタル技術をビジネスに活用することです。飲食店であれば、以下のような取り組みができるでしょう。
・セルフオーダーシステムの導入
・モバイルオーダーの導入
・キャッシュレス化
・顧客管理システムの導入
・業務支援システムの導入
飲食店経営を開業する流れ
ここからは、飲食店開業の具体的な流れを解説します。飲食店の立ち上げを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. コンセプトを決める
はじめにコンセプトと事業計画の作成をおこないましょう。
オープン後の事業を成功させるために、ターゲット層の選定やコンセプトづくりは重要なポイントです。ある程度事業戦略が固まったら、事業計画書をまとめましょう。
場合によっては資金調達の際に開業計画の提出が必要となることもあるため、できるだけ入念に作成しておくことをおすすめします。
2. 資金を調達する
開業に必要な費用が自己資金で賄えない場合は資金調達をおこないましょう。資金調達にはさまざまな方法がありますが、一般的には金融機関の融資を受けたり、助成金・補助金を活用したりする方法があります。
3. 資格取得届出を申請する
先述の通り、飲食店の開業には資格の取得や各種届出の申請が必要です。
こういった手続きは開業までに済ませておく必要があるので、できるだけ余裕をもったスケジュールで予定を組むようにしましょう。
また、例えば店舗の営業許可申請をするにあたって食品衛生責任者の資格が必要になるといったように、各種手続きの順序も押さえておきたいポイントです。
4. 店舗内装を決定する
資格や届出の準備と並走して、店舗や内装も決定しましょう。
飲食店経営では特に立地や居心地など店舗の雰囲気はとても重要なので、コンセプトに沿って決めていきます。一方で、予算とこだわりのバランスを適正化することも重要です。
工事は複数の業者に相見積もりを取りながら、予算内で収まる範囲で施工内容を決めるようにしましょう。
5. メニューの決定
物件や各種手続きの申請が完了したら、メニューと料金設定をおこないます。
競合店舗の料金と差が開きすぎるとマイナス要因となるので、近隣エリアをリサーチしつつ、ターゲット層やコンセプトに見合った料金を心がけるのがポイントです。
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飲食店経営のポイントを押さえて運営を成功させよう
飲食店経営が「厳しい」といわれることがあるのは事実ですが、必要な資格や知識を習得して、計画性をもって経営すれば成功できる可能性は十分にあります。適切な手順を踏んで、運営を維持できる店舗づくりをおこないましょう。また、業務効率化には業務支援システムの導入もおすすめです。本記事で紹介したポイントを押さえて、飲食店経営を成功させましょう。