飲食店におけるデータ分析の重要性を理解していても、踏むべき手順がわからない方もいるかもしれません。本記事では、飲食店のデータ分析の手順や、主な分析方法についてわかりやすく紹介します。自店舗の売上やコストに課題を感じている方はぜひ参考にしてみてください。
飲食店でデータ分析が重要な理由
飲食店経営において、料理や接客のクオリティはとても重要です。ビジネスとして継続的にお店を回すためには、経験や勘に頼った経営ではリスクを伴います。
とくに電子化が進む中でデータ収集の難易度が下がり、飲食店でも顧客や売上のデータを活用して戦略的に経営設計している店舗は少なくありません。
データ分析をしている店舗とそうでない店舗では大きな差が生まれてしまう可能性があるため、安定的な利益を確保するためには積極的にデータを活用していく必要があるのです。
飲食店におけるデータ分析の5ステップ
何から分析を始めてよいかわからない方に向けて、ここからは具体的な分析方法の手順を紹介します。
- 分析の目的を決める
- 課題と仮説を洗い出す
- 分析方法の選定
- データ収集
- 分析結果に応じて施策を打つ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 分析の目的を決める
売上を立てるためにデータ分析は重要です。しかし闇雲にデータを算出していては、結果につながらなかったり、無駄な人件コストが発生してしまったりすることもあります。
・新規顧客獲得のために、注力すべきターゲットを選定して施策を打ちたい
・現状の売れ筋や人気商品を把握して商品の見直しをおこないたい
分析を始める前に、上記のように目的を明確にしておきましょう。
2. 課題と仮説を洗い出す
分析の目的が決まったら、その目的に応じて課題と仮説を洗い出していきます。
例えば「売上拡大のために商品見直しをおこないたい」場合、「AとBをセット売りすると売れ行きがよくなるのではないか」「Cはあまり売れていないので、他の商品に変えるべきではないか」など、現在の状態をベースにして具体的なアイデアで得られる利益等の仮説を立ててみましょう。
このステップを踏むことで、必要なデータや算出すべき数値の方針が定まりやすくなります。
3. 分析方法の選定
次に、仮説が正しいかどうかを検証するための分析方法を考えましょう。自店舗にとって検証しやすい方法を使うことをおすすめしますが、データ分析に慣れていない方の場合はどのように進めてよいか分からない方もいるかもしれません。
ここでは、飲食店でも使えるメジャーな分析方法をピックアップして紹介します。
・ABC分析
・RFM分析
・3C分析
・5P分析
・バスケット分析
ABC分析
「ABC分析」とは、売上高や粗利率などを指標にメニューをA・B・Cの3つの優先度にランク分けして重要度をはかる分析方法。売れ筋や改善すべきメニューを可視化できるため、メニュー全体や価格設定の見直しにおすすめの手法です。
RFM分析
「RFM分析」は「Recency(最終購入日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(購入金額)」の3つの要素の頭文字を取った分析方法で、顧客分析をしたいときにおすすめです。
優良顧客や離反顧客、新規顧客などの状況を把握できるので、各層に対しての施策を考えたいときに活用できます。
3C分析
「3C分析」は、「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の3つの頭文字を取った分析方法で、経営戦略に役立ちます。
経営戦略を考える上でポイントとなる上記3つの観点から市場を分析することで、自社の短所や長所を洗い出すことが可能です。
5P分析
「5P分析」は具体的な施策立案の際に用いられる分析手法です。
「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(店舗)」「Promotion(流通)」の4つから成る「4P分析」をベースに、さらに1要素を加えておこないます。
具体的には、や「Process(業務プロセス)」や「People(人々)」「Profile(顧客データ)」などを加えることが多く、4P分析よりもさらに詳しく分析が可能です。
バスケット分析
「バスケット分析」とは、特定の商品をベースに一緒に購入される頻度の高い商品を分析する方法です。
たとえば「生ハム」といっしょに「バケット」が注文されやすい、といったように、大まかな予測が立てられる点が特徴。メニュー表の入れ替えはもちろん、「一緒に注文されやすい商品のセットメニューを作る」といった施策を打つことも可能です。
4. データ収集
分析手段に応じて、必要となるデータ収集を行いましょう。すでに必要なデータが取れていれば問題ありませんが、場合によっては顧客アンケートを実施したり、一定期間の売上データ等を蓄積する必要があったりすることもあるでしょう。
5. 分析結果に応じて施策を打つ
せっかく分析をおこなっても、実際に施策を打たなければ結果につながりません。分析が完了したらそこで終わりにせず、結果に応じて施策を打ちましょう。
例えば「AとBをセット売りすると売れ行きがよくなる」という仮説が正しいと想定できる場合、実際にセット売りのための座組みを整えていくことになります。
飲食店が利益向上のために実施すべき施策
ここからは、飲食店が利益向上のために実施すべき具体的な施策を紹介します。飲食店経営に悩んでいる方は参考にしてみてください。
・集客
・客単価の向上
・コストの見直し
集客
売上を立てるために欠かせないのが集客です。分析で得られた顧客データを参考に、どの顧客層に対してアプローチすべきなのか仮説を立てていきましょう。
一口で集客といっても、「新規顧客の獲得」と「リピーターの獲得」では集客方法が変わってきます。店舗の立地やコンセプトに応じて、適切なターゲットを選定しましょう。
また、飲食店の集客では、アナログ集客とデジタル集客を上手く組み合わせることもポイントです。
客単価の向上
「客単価」は、顧客1人あたりの平均購入価格のことです。例えば、「売上が一千万円、客数が500人の場合の客単価は2万円」ということになります。
客単価は売上を構成する重要な要素の1つなので、客単価向上を狙うことで売上アップに直結しやすいのがポイント。施策というとまず集客に目を向ける店舗が多いですが、客単価の向上も同じくらい重要です。
具体的な対策方法としては、商品単価の見直しはもちろん、関連商品を一緒に購入してもらうといった方法もあります。
コストの見直し
せっかく売上が立っていても、経費が大きくなりすぎてしまっては手元に残せる利益が少なくなってしまいます。コストの見直しをおこなうことで、削減可能なポイントがないかチェックしてみましょう。
・固定費(光熱費や通信費)の見直し
・仕入れ価格の見直し
・仕入れ先の見直し
・人件費の見直し
・在庫管理の徹底
飲食店のデータ分析には業務支援システムがおすすめ
データ分析に力を入れたい飲食店の方には、業務支援システムの活用もおすすめです。
・各情報の保管先がバラバラでデータ収集に時間がかかる
・紙でデータを管理しているため必要な数値を出すのに時間がかかる
・過去のデータを検索しづらい
特に上記のような悩みを抱えている場合、データを一元管理できる業務支援システムの導入で解決できる可能性があります。
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飲食店のデータ分析で売上を拡大しよう
飲食店のデータ分析の手順や、分析方法について解説しました。自店舗の状況を適切に分析するには、仮説を立てて適切な分析をおこなうことがポイントです。
より効率的に課題を解決したいなら、飲食店向け業務支援システムの導入もおすすめ。本記事を参考に、適切な分析をおこない自店舗の売上拡大につなげましょう。