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年末の宴会シーズンに向けて飲食店が抱える課題

飲食店にとって年末の宴会シーズンは、とくに忙しい時期で、大勢の人々が集まる場として利用されますが、同時に様々な課題を抱えることも多く見受けられます。 今回のコラムでは、その主な課題と対策について整理して紹介していきます。

年末の宴会シーズンに向けて飲食店が抱える課題

年末の宴会シーズンに潜む課題とは

飲食店にとって年末の宴会シーズンは、特に忙しい時期です。企業の忘年会やパーティーなど多くの宴会予約が入り、正に書き入れ時ですが、そこに潜む課題について整理していきます。

人手不足

特に年末に急増する宴会などの予約により、通常よりも多くのスタッフが必要となりますが、一時的な人手を確保するのは難しく、スタッフに余計な負担をかけてしまう可能性があります。人手が足りない期間を見極め、十分な人手が確保できるよう、余裕をもって事前にパート・アルバイトスタッフを募集する必要があります。また、スタッフの年末の予定を早期に把握して、適切にシフトを組むことで効率的な人員配置が求められます。

仕入れ・在庫管理の難しさ

年末の大量の予約に対応するためには、普段以上に大量の食材を仕入れる必要があります。特定のメニューや飲み物の需要が高まるため、この期間の在庫管理が難しくなります。特に新鮮な食材を扱う飲食店では、過去の仕入れデータ分析や予約状況から需要を予測して適切な量を仕入れて、食材の賞味期限や在庫状況を適切に管理して廃棄等のロスを最小限に抑えることが求められます。

顧客対応

年末には大量の予約が入り、席が足りなくなるケースがあり、ここで受け入れられなかった顧客を失う可能性があります。また、混雑した店舗内での対応では、ミスが起きやすくなることも問題です。予約管理システムを導入したり、2部制や時間制限を設けて回転率を上げることも有効な対策です。

衛生管理

年末の繁忙期は、食品の取扱いが増加しスタッフへの業務負担も増すため、衛生管理が一層重要となります。店舗内のトイレ等は定期的な清掃計画を立てて衛生的な環境を維持するとともに、すべてのスタッフが衛生規則を理解して守れるよう教育が必要です。

資金繰り

年末の宴会シーズンには、仕入れを増やす必要がありますが、一方で売上の増加に伴いクレジットカードや電子決済、QRコード決済の利用による売り上げも増加します。これらの売上金は手数料を差し引かれて現金化まで一定期間を要することから、資金繰りに課題を持つことがあります。

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資金繰り対策について

このように、飲食店では年末の宴会シーズンに備えて大量の仕入れや人件費が発生する一方で、クレジットカードや電子決済、QRコード決済を通じた売上金は即時には受け取れず、資金繰りが逼迫する可能性があります。これを避けるための対策について考えてみます。

資金計画の強化

まず、明確な資金計画を立て、収益と支出のバランスを常に把握して管理します。支出(仕入れ、人件費、その他の経費)と入金予定を細かく予測し、資金繰りを把握する同時に、不確実性のあるものは極力排除し、想定外の出費に備えるための準備も行います。

即時入金サービスの利用

フィンテックの発展により、クレジットカード決済などの入金を即時または短時間で受け取れるようなサービスがあります。これらサービスを利用することで、資金繰りの改善が期待できます。日本国内であれば、SquarePaidyShopifyなどが即時入金サービスを提供しています。

前払いや予約金制度の導入

宴会などの予約に対して前払いや予約金を設定します。これにより、売上が事前に確定し、キャッシュフローが改善されます。また、お客様が無断でキャンセルするリスクを最小限に抑えることができます。

短期融資の活用

一時的な資金不足を解消するために、金融機関から短期融資を利用します。銀行だけでなく、信用金庫や農協、地方の中小企業者向けに制度融資を行っている機関なども選択肢となります。

カード手数料の転嫁

カード決済に伴う手数料を一部顧客に転嫁することも一つの手段です。ただし、これは顧客の利便性を損ねる可能性があるので、慎重に検討する必要があります。また、カード会社の規約により、手数料転嫁が許可されていない場合もありますので、事前に確認が必要です。

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飲食店経営に関わる手数料について

飲食店を運営する上で、様々な手数料が発生しています。

クレジットカード決済手数料

飲食店が顧客からのクレジットカード決済処理をするためにクレジット会社に支払う手数料となります。一般的には、取引金額につき約1.5%から3.5%が手数料として発生します。これはカードの種類や発行会社、店舗への与信状況などによって変動します。

電子決済・QRコード決済手数料

スマートフォンを使った決済サービスも、クレジットカード同様に手数料がかかります。これにはクレジットカードでの支払いだけでなく、銀行口座やプリペイドカードからの引き落としなども含まれます。PayPayLINE Pay、メルペイなどの主なサービスでは、一般的に取引金額の3.25%前後の手数料が設定されています。

配送サービス手数料

飲食店がUber Eatsや出前館などのデリバリーサービスに参加する際は、注文金額の一定割合がサービス手数料として支払われます。これは通常、注文総額の20%から30%程度が一般的です。

POSシステム、業務支援サービスの利用料

飲食店では、POSシステムや業務支援サービスの導入が一般的となりつつあります。これらのシステムやサービスは売上の記録から勤怠、仕入れ、在庫管理まで、様々な業務を一手に担います。しかし、それらの利用には通常、月額システム利用料や、保守費用、初期導入時のハードウェア費用などが発生します。

これらの費用は運用コストに直接影響を与えますので、飲食店ではこれらの費用を効率的に管理し、利益率を最大化することが求められます。

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重要なのは事前の計画を準備

これらの対策を通じて、飲食店は年末という忙しい時期を乗り切り、業績を最大化していくことが求められます。重要なのは事前の計画と準備であり、これにより多くの課題を防ぐことが可能になります。

参考リンク:ASPIT(アスピット) https://aspit.jp/

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