「IT導入補助金」とは、中小企業や個人事業主が新たにITツールを導入する際の費用を補助する制度です。 新しい予約管理システムや在庫管理システムを導入したいと思っても、その費用が心配ですよね? ここで「IT導入補助金」が役立ちます。 それは、国が中小企業や個人事業主が最新のITツールを使ってビジネスを効率化し、新型コロナウイルスのような非常事態にも強いビジネス体制を構築することを支援するための制度なのです。 今回のコラムでは、昨年12月に発表された「IT導入補助金2025」の概要を基に詳しく解説していきます。

「2025年の崖」問題を乗り越える
「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」にて警鐘を鳴らした問題です。
このレポートによれば、DX(デジタル変革)の推進が日本企業の生き残りにとって不可欠な要素であると述べています。しかし、レポートは2025年までに多くの企業の基幹システムやソフトウェアが陳腐化し、適応できない「レガシーシステム」になる可能性を指摘しています。この問題は大企業から中小企業、個人事業主にまで及び、経営者だけでなく、業務を行う従業員の働き方にも大きく影響を与えると指摘されています。特に長い歴史を持つ企業ほど、この問題の影響は大きく、問題の解決には時間がかかると警告されています。
飲食店経営における「2025年の崖」問題
飲食店経営においても、「「2025年の崖」問題は無視できない課題です。特に経理や在庫管理などの基幹業務を古いシステムで運用している飲食店は、そのシステムが時代遅れの「レガシーシステム」に陥り得ます。IT技術の急速な進化は、顧客の行動分析から料理の提案、収益管理まで一元化する新たなシステムの開発と導入を促しています。市場での競争力を保つためには、これらの新しいシステムの活用が不可欠です。
更に、労働力不足や少子化という課題の中で、従業員の採用や配置を効率化するためのデジタル化や自動化技術は必要不可欠となります。これらの技術を適切に導入せず、業務の効率化やサービス品質の向上が遅れた場合、顧客満足度や売り上げに悪影響が出ることもあります。したがって、飲食店経営における「2025年の崖」問題とは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に進めることが求められていると言えます。これは経営の存続や競争力がDXの適応度に左右される可能性があるためです。この課題に対処するには、顧客のニーズ理解、業務運営の効率化、新しいビジネスモデルの探求などを通じたDXへの取り組みが急務です。システムを速やかに最新化し、デジタル化を推進することで、「2025年の崖」からの落下を避けることが可能となります。
補助金の活用
これらの課題を乗り越えるため「IT導入補助金」等の補助金を活用することで、新たな基幹システムの導入やデジタルマーケティングの強化が可能となり、それによりレガシーシステムからの脱却とDX推進が実現します。さらに、飲食店への補助金は多岐にわたります。例えば、新型コロナウイルス感染症対策として提供される持続化給付金や、地域資源を活用するための補助金などが挙げられます。これらを活用することで、経営の安定化や新事業展開の際に財務的な負担を軽減することが可能となります。
IT導入補助金
「IT導入補助金」とは、中小企業や個人事業主が新たにITツールを導入する際の費用を補助する制度です。例えば、飲食店が新しい予約管理システムや在庫管理システムを導入したいと思っても、その費用が心配ですよね?ここで「IT導入補助金」が役立ちます。それは、国が中小企業や個人事業主が最新のITツールを使ってビジネスを効率化し、新型コロナウイルスのような非常事態にも強いビジネス体制を構築することを支援するための制度なのです。
IT導入補助金2025について解説
2024年12月に発表された「IT導入補助金2025」の概要を基に詳しく解説していきます。
IT導入補助金2025の概要
・業務の効率化やDXの推進、セキュリティ対策に向けたITツール等のIT導入費用を支援
・インボイス対応に活用可能!安価なITツールの導入にも活用可能で、小規模事業者は最大4/5補助される
・補助額は、1事業者につき最大450万円、補助率は1/2~4/5
※「IT導入補助金」でIT導入・DXによる生産性向上を支援!
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/r6_it.pdf
申請枠/類型
通常枠
・生産性の向上に資するITツール(ソフトウエア、サービス)の導入費用を支援します。
・クラウド利用料を最大2年分補助し、保守運用等の導入関連費用も支援します。
複数社連携IT導入枠
・10社以上の中小企業・小規模事業者等が連携した、インボイス制度への対応やキャッシュレス決済を導入する取組等を支援します。導入や活用に向けた事業費・専門家経費も補助対象です。
インボイス枠、インボイス対応類型
・令和5年10月1日に開始されたインボイス制度への対応に特化した支援枠で、会計・受発注・決済ソフトに加え、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウエア導入費用も支援します。
・小規模事業者は最大4/5補助し、補助下限は無く、安価なITツール導入も支援します。
インボイス枠電子取引類型
・取引関係における発注者(大企業を含む)が費用を負担してインボイス対応済の受発注ソフトを導入し、受注者である中小企業・小規模事業者等が無償で利用できるケースを支援します。
セキュリティ対策推進枠
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているセキュリティサービスの利用料を支援します。
「IT導入補助金2025」の変更点
補助率
・通常枠においては、「最低賃金近傍の事業者への補助率が2/3」に引上げられます。
・2025年度においては賃上げの支援を主な目的にしていることから、「最低賃金+50円に届いていない従業員の割合が高い企業の補助率を増加する」といった記載があります。
※最低賃金近傍の事業者とは、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業が30%以上であることを示した事業者のことです。
補助対象経費
・通常枠、複数社連携IT導入枠、インボイス枠(インボイス対応類型)において、導入関連費用(保守サポートやマニュアル作成等の費用に加えて、IT活用の定着を促す導入後の活用支援も対象となります。
補助額
・セキュリティ対策推進枠において補助上限額が100万円から150万円に増額されます。
申請要件
「IT導入補助金2024」においては、通常枠の申請で「みらデジ経営チェック」を事前に受けることが「必須要件」でした。昨年12月25日に「みらデジ事業サービス終了」の案内がありました。「IT導入補助金2025」においては、新たな要件が加わるのか?等の情報は現時点では確認できておりません。
※みらデジ事業終了のお知らせ並びに新サービス「デジwith」のご案内
https://www.miradigi.go.jp/info/241225_1/
補助金活用戦略
日本の企業が「2025年の崖」問題を乗り越え、新たな競争力を持つためには、IT導入補助金のような政策を最大限活用し、DXの推進が必須となります。このIT導入補助金を用いて、基幹システムの最新化や効率的なデジタルマーケティングの実施などに取り組むことで、経営の最大化を図ることが可能となります。
さらに、他の補助金と組み合わせて利用することにより、経営の安定化や業績回復、新たな事業展開に対する財政的な負担を軽減することもできます。これらの補助金を上手く活用し、自社のビジネスに合ったDXを推進することで、間違いなく「2025年の崖」を乗り越え、新たな成長を達成できるでしょう。これら補助金を活用して、混沌としたビジネス環境に対抗し、自社の将来を切り開いていきましょう。
今後も更なる詳細や活用事例など、役立つ情報をお届けしますので、どうぞお楽しみに。
おまけ
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