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人手不足時代に事業継続のための対策事例

日本国内にあるあらゆる業種や企業で人手不足が問題になっています。 国全体の人口減少の局面では人材の取り合いになってしまい、ほぼ全ての業種で10年前と同じ形で満足のいく人員配置というのは現実的ではなくなってしまいました。 これは飲食業においても同様で、皆共有の事実と呼んでも良いことだと思います。 こういった局面では「いかにして良い人材を獲得するか」という新しい人材獲得の視点に加えて「少ない人員でいかに事業継続をするか」の視点も重要になっていると言えます。

人手不足時代に事業継続のための対策事例

人口減少時代の現象と求められる事象

繰り返しになってしまいますが、人口減少は局地的なものではなく日本全体で起きていることです。

それにより

・人員不足(働き手の減少)

・人に頼らないオペレーションの構築

将来的には

・ターゲット(顧客)の減少

・ターゲット減少による売り上げ減の可能性

・それによる客単価を上げる手法の検討

人口減少のテーマ一つでこれらを同時に解消しなければならないということですよね。

新たなスタンダードとなり得る店

リニューアルの特徴

その観点から、昨年リニューアルオープンしたとあるビッグチェーンの牛丼店に行ってきました。

元はよくある厨房から続きのカウンター席中心のレイアウトの店舗だったようですが、そこからカフェ風の内装に変更されたという店舗です。

東京都心にも同様の内装の店舗がありますが、私が訪問したのは車で訪れることが前提の郊外の店舗でした。

同店には厨房から続きの席は無く、一人用のカウンター席もアイランド型に流してレイアウトされている形です。

それ以外は壁に沿わせて設置されたベンチシートを奥側の座席として、そこに向かい合わせで使用する2名用、4名用のテーブルがレイアウトされています。

オーダーは各テーブルに配置されているタブレットを介してオーダーし、料理が出来上がると音声とモニターでテーブル番号を知らせてくれ、それを厨房の一番前にあるディッシュアップカウンターまでお客さん自身が取りに行くという仕組みです。

現在のファミレスのオーダーの手法フードコートの仕組みを合わせたものと言えるような仕組みです。

下膳もフードコート同様に洗い場前に設置された下膳の棚までお客さんが持っていく仕組みです。

会計はディッシュアップカウンター上にレジがあり、こちらで店員さんに会計してもらいます。

お客様と店舗スタッフの接点数から優れた点を考える

同店のお客さんと店舗スタッフの接点は、

①ディッシュアップカウンターで料理のピックアップ時にテーブルの確認程度のほんの少し

②ディッシュアップカウンターで会計

2です。しかも場所はディッシュアップカウンターの一箇所のみ。

よくある牛丼店での接点を想像してみると

①空いている席への誘導

②オーダーテイク

③料理の配膳

④会計

⑤(お客さんが帰った後ですが)洗い場までの下膳

⑥清掃

リニューアル店舗ではリニューアル前に行われていた、①の席誘導や⑥の(テーブル上に限りますが)清掃においても、フードコート同様の仕組みが採用されていますので、スタッフが介在することはあまり無さそうです。

店舗スタッフはその分、お客さんへの作業転換が困難な厨房内での作業にリソースを集中できることになります。

同チェーンのカフェ風への内装変更の取り組みは、内装やイメージの変化についての講評が多かったのですが、こう考えてみると現在、将来の人員配置への対応ということが主眼だったのではないかということが見えてきます。

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客単価に与えている好影響

実際に訪問した際に他のテーブルのお客様の様子もなんとなくリサーチしましたが、通常の内装の店舗よりも牛丼比率が低く、定食メニューなどもよく注文されているように見受けられました。

家族で訪問しても急いでオーダーを決めなければならないプレッシャーもなく、ゆったり考えられることが良い時間の使われ方になってオーダーのバリエーションに繋がっているのでしょう。

サイドメニューのプラス一品もよくオーダーされていましたし、客単価のアップにもつながっている様子がうかがえます。

これらにより解消されたこと

テーブル席が増えたことにより席効率が悪くなっていることは間違いないでしょうし、一組当たりの座席の占有時間も長くなっていることは予想が付きます。

とはいえ、

人口減少による働き手の減少とターゲットの減少への対応

それによる売り上げ減の影響を考慮しレイアウトや内装の変更による客単価アップ

という事情と打ち手を総合すると、同業態における現在の最良の打ち手の一つであろうと考えられます。

素晴らしい仕組みを考えられたものですね。

テーブル席の比率が増えていることから、一人客や少人数客が多い都心よりもファミリー客の多い郊外で同仕組みへの転換が増えていくかもしれません。

CKを中心とした取り組み

さて、先述のような仕組みが低価格で昼業態の新たなスタンダードとなる可能性は十分にありますが、客単価や業態、立地などの事情により、このスタイルがそぐわない店舗も多くあることでしょう。

それらの事情を解消すべくCKのある企業を中心にCKの仕込みの段階で料理の完成度を高める取り組みが進んでいるようです。

例えば、店舗で使用する野菜をCKでカットして数百グラム単位で店舗に運んでいた企業が、一皿当たりに更に小分けにして店舗に届ける。

店舗で1から火入れしていたものを、8割程度まではCKで火入れする。

などの工夫のことです。

また、店舗とCKの両方に人員が足りない企業では、とある店舗の料理長をCKに異動してもらい、そこでCKによる完成度を高める仕込みのシステムを試し始めたという企業もあるようです。

そうすることで、CKの人員は充足され、店舗での調理は楽になり人員不足感も緩和されることに繋げる。という計画ですね。

CKによる別事業にも着目する企業

また、CKでの加工を2次産業ととらえ、飲食店ばかりではなく小売りという3次産業を新たに組み合わせて事業化したいと考えることもできるようになるようです。

こういった思考や取り組みに魅力を感じCKが無い企業でも新たに導入するという企業も出てきているようです。

これらの取り組みは始まったばかりなので、まだ、良い結果がもたらせたかどうかは判明していませんが、これも良い打ち手の一つになる可能性が十分にあると感じています。

人員不足、原材料費の上げ止まりなど、大変難しく大きな課題が横たわっていますが、これら情報収集と良いものの選別と実行が将来における事業継続にとって重要であることは間違いありません。

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