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多店舗展開の失敗は「バックオフィス」から。経理パンクを防ぐDX化の重要性

業務改善

決算期や確定申告の時期が近づくにつれ、事務所のデスクに山積みになった領収書やレシート、各店舗から上がってくる日報の束を見て、頭を抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか。 1〜2店舗のうちは、社長ご自身や奥様、あるいは経理担当者がエクセルや手書きで帳簿をつけていても、なんとか回っていたかもしれません。しかし、3店舗、5店舗と多店舗展開を進める中で、多くの企業が直面する「見えない壁」があります。それは、売上を作る「オフェンス(営業)」ではなく、売上を管理する「ディフェンス(バックオフィス)」の崩壊です。 今回は、店舗拡大に伴って複雑化する経理業務の罠と、経営者の時間を奪う「帳簿のパンク」を防ぐための仕組みづくりについて解説します。

「飲食店 帳簿 付け方」の検索を卒業し、仕組み化へシフト

店舗数が増えると、日々の売上管理、現金合わせ、仕入先への支払い、アルバイトの給与計算など、バックオフィスの業務量は単純な掛け算以上に膨れ上がります。

よくネットで「飲食店 帳簿 付け方」や「エクセル 売上管理 無料」といったキーワードで検索し、自社に合った手作業のフォーマットを探している経営者を見かけますが、多店舗展開を見据えるのであれば、そのアプローチは危険です。

アナログ管理が招く「数字のズレ」と「確認作業」の泥沼

各店舗の店長が営業終了後に疲れた頭でエクセルに数値を手入力し、それを本部でさらに合算するというアナログな手法は、必ず入力ミスや現金の過不足を引き起こします。

本部の経理担当者はその「数字のズレ」の原因を突き止めるために、各店舗の店長に電話をかけ回り、無駄な確認作業に日々追われることになります。これでは、出店戦略やメニュー開発といった本来の経営業務に集中することができません。

軽減税率とインボイス制度が「手書き帳簿」の限界を招く

さらに近年の経理業務を極めて複雑にしているのが、消費税の「軽減税率」と「インボイス制度」です。

売上アップの施策として、店内飲食に加えてテイクアウトやデリバリーを導入する店舗が増えました。しかし、ここで問題になるのが税率の違いです。

テイクアウト・デリバリー導入による税率混在の恐怖

同じ料理を提供していても、店内飲食は消費税10%、テイクアウトやデリバリーは8%(軽減税率)となります。「テイクアウトは非課税」といった誤解は論外としても、この8%と10%が混在する複雑さは、手作業ではミスを避けられません。

各店舗のレジ打ちの段階でこの税率区分が正確になされていなければ、後から本部の経理がレシートの山を見て「これは店内か? 持ち帰りか?」を仕分け直すという地獄のような作業が発生します。

インボイス対応による事務負担の増大

さらに、仕入先からの請求書もインボイス対応のチェックが必要となり、手作業での帳簿づけはもはや限界を迎えていると言ってよいでしょう。

あわせて読みたい:店舗運営の基礎固め

店舗のクレーム対応や基本ルールに関する整備については、こちらの記事も併せてご確認ください。

▶ 飲食店のクレーム対応の基本ステップは?よくある内容やNG例も紹介

多店舗展開の成功は「ディフェンス(管理体制)」の強化にある

多くの飲食店経営者は、新しい店舗の内装や最新の調理器具、求人広告には惜しみなくお金を使いますが、バックオフィスのシステム化には「直接売上を生まないから」と投資を渋る傾向があります。

しかし、多店舗展開を成功させている企業の共通点は、ディフェンス(管理体制)が極めて強固であることです。

システム連携が「店長の事務作業」を劇的に削減する

各店舗のPOSレジとバックオフィスシステムを連動させれば、店長がレジ締めをした瞬間に、イートイン(10%)とテイクアウト(8%)の売上が自動で正確に振り分けられ、本部の帳簿(クラウド会計など)に反映されます。仕入入力や勤怠打刻もシステム上で完結させれば、店長の事務作業時間は劇的に削減され、その分をスタッフの教育やお客様へのサービス向上(売上アップ)に充てることができます。

経営者の「時間」を取り戻すためのシステム化

経理業務のパンクは、単なる「事務作業の遅れ」にとどまらず、会社の正確な利益状況(どこで儲かっていて、どこでロスが出ているか)の把握を遅らせ、致命的な経営判断の遅れに直結します。

多店舗展開のアクセルを全開にする前に、まずは現在のアナログな帳簿の付け方を見直してみてください。税率の複雑化や日々の入力作業を「システムに任せる」仕組みを構築することこそが、経営者の貴重な時間を取り戻し、次なる成長ステージへ進むための盤石な土台となるのです。

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