Column

コラム

飲食店の消費税は8%・10%どっち?2027年の飲食料品1%案も解説

利益・経営改善

飲食店の消費税率は、店内で飲食する場合は原則10%、テイクアウトやデリバリーは原則8%です。 同じ料理を販売していても、提供方法によって適用される税率が変わります。 さらに2026年7月30日、高市首相は飲食料品にかかる消費税率の引き下げについて方針を表明しました。政府広報でも同日の会見が公表されています。 それまで社会保障国民会議では、2027年4月1日から2年間、現在軽減税率の対象となっている飲食料品の消費税率を1%とする議長案が議論されていました。ただし、国民会議では具体案について意見の一致には至っていません。 したがって、2026年8月時点で実際に適用されている税率は、標準税率10%・軽減税率8%のままです。 この記事では、現在の8%・10%の違いからケース別の判断方法、インボイス対応、今後予定されている飲食料品の税率引き下げと飲食店への影響まで解説します。

飲食店の消費税は8%・10%どっち?

2026年8月現在、飲食店に関係する基本的な税率は次のように整理できます。

提供方法・商品現在の消費税率
店内飲食10%
テイクアウト8%
デリバリー・出前8%
ケータリング原則10%
酒類10%
持ち帰り用の飲食料品8%

現在の消費税率には、標準税率10%と軽減税率8%があります。軽減税率の対象となるのは、原則として「酒類・外食を除く飲食料品」などです。外食やケータリング等は軽減税率の対象には含まれません。

そのため飲食店では、「何を販売したか」だけではなく「どのような形で提供したか」によって税率が変わることが重要なポイントです。

店内飲食の消費税は10%

レストラン、居酒屋、カフェなどで、店舗が設置したテーブルや椅子などを利用して料理や飲み物を提供する場合は「外食」に該当するため、軽減税率の対象になりません。

そのため消費税率は10%です。

例えば、

  • レストランでランチを食べる
  • 居酒屋で料理を食べる
  • カフェの店内でコーヒーを飲む
  • フードコートの飲食設備で食べる

といったケースが該当します。

国税庁では、飲食店などがテーブル、椅子、カウンターなどの飲食設備がある場所で飲食させる役務の提供を「食事の提供」としています。

テイクアウトの消費税は8%

飲食店で料理を購入して持ち帰る場合は、原則として「飲食料品の販売」に該当するため、軽減税率の対象となります。

そのため消費税率は8%です。

例えば、

  • 弁当を購入して持ち帰る
  • ハンバーガーをテイクアウトする
  • コーヒーを持ち帰る
  • 惣菜を購入する

といったケースが該当します。

同じ商品でも、店内で食べる → 10% 持ち帰る → 8% となります。

「外食」なのか「テイクアウト」なのかについては、飲食料品を提供する時点で、店舗側が顧客に意思確認をするなどして判定します。

デリバリー・出前の消費税は8%

料理を顧客の自宅やオフィスなどへ届けるだけのデリバリー・出前は、原則として飲食料品の販売に該当するため、軽減税率8%の対象です。

例えば、

  • 店舗スタッフによる出前
  • 弁当の宅配
  • デリバリーサービスを利用した料理販売

などです。

重要なのは「店舗外で食べるから8%」とだけ判断するのではなく、飲食料品の販売なのか、サービスを伴う食事の提供なのかを確認することです。デリバリーは新たな販売チャネルとして活用できる一方、手数料や原価なども含めて収益性を確認することが重要です。飲食店のコスト管理やデリバリーを活用した売上アップについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

ケータリングの消費税は原則10%

デリバリーと混同しやすいのがケータリングです。料理を指定された場所へ届けるだけであれば軽減税率の対象となります。

一方、指定された場所で、

  • 盛り付け
  • 配膳
  • 給仕
  • 調理

などを伴って料理を提供するケータリング等は、原則として軽減税率の対象外です。

そのため、基本的には10%となります。

デリバリーとケータリングの違い

項目デリバリーケータリング
料理を届ける○○
現地でサービスを提供基本なしあり
税率原則8%原則10%

単に「料理を店舗外へ届けたか」だけで判断しないことがポイントです。

酒類の消費税は10%

酒類は軽減税率の対象となる飲食料品から除外されています。そのため、店内飲食でも持ち帰りでも消費税率は10%です。

例えば、

商品商品提供方法税率
コーヒーテイクアウト8%
弁当テイクアウト8%
ビール持ち帰り10%
ワイン持ち帰り10%

なお、飲食店が酒類をテイクアウト用として販売する場合には、酒類小売業免許が必要となる場合があるため注意が必要です。

店内飲食とテイクアウトを両方行う場合

カフェやファストフード店などでは、同じ商品を店内でもテイクアウトでも販売するケースがあります。この場合、商品の提供時点で顧客の意思を確認し、提供方法に応じた税率で処理します。

例えば税抜800円の商品であれば、

店内飲食:800円+10%=880円

テイクアウト:800円+8%=864円

となります。

税込価格を同一に設定する場合でも、店舗側では実際の取引に応じた税率区分を正しく処理する必要があります。

食べ残した料理を持ち帰る場合は?

店内飲食として注文した料理を食べきれず、残りを持ち帰る場合があります。この場合、注文時点で店内飲食として提供された料理について、後から持ち帰ることになったからといって軽減税率8%へ変更するものではありません。国税庁の軽減税率Q&Aでも「飲食店で残りを持ち帰る場合」が個別ケースとして整理されています。そのため、提供時点で店内飲食かテイクアウトかを明確にする運用が重要です。

おもちゃ付き商品など「一体資産」の税率

食品と食品以外の商品があらかじめセットになっている「一体資産」についても注意が必要です。例えば、おもちゃ付きのお菓子などが該当します。

一定の一体資産について、

  • 税抜価額が1万円以下
  • 食品部分の価額が全体の3分の2以上

という条件を満たす場合、その全体が軽減税率の対象になります。条件を満たさない場合は、全体が標準税率の対象です。

飲食店が8%・10%を間違えやすいケース

ここまでの内容を整理すると、次のようになります。

ケース2026年8月現在
店内飲食10%
テイクアウト8%
出前・デリバリー8%
ケータリング原則10%
酒類の持ち帰り10%
店内飲食後の食べ残し当初の店内飲食として処理
一体資産条件によって8%または10%

特に店内飲食とテイクアウトを両方提供する店舗では、スタッフによって判断が変わらないよう、税率判定のルールを統一することが重要です。

飲食店のインボイス対応

飲食店では、消費税率を正しく判定するだけでなく、インボイス制度への対応も必要です。特に法人利用や接待、出張時の食事などでは、顧客から適格請求書・適格簡易請求書への対応を求められる場合があります。複数税率を扱う場合は、8%対象と10%対象を正しく区分して管理する必要があります。

そのため、

  • 商品の税率設定
  • POSレジ
  • レシート
  • 売上データ
  • 請求書
  • 会計データ

などが正しく連携しているか確認しておきましょう。

ASPITの請求機能もインボイス制度および電子帳簿保存法に対応しています。

2027年から飲食料品の消費税率は1%になる?

2026年6月、社会保障国民会議では「所得に連動したきめ細かな給付」の本格導入までの経過措置として、2027年4月1日から2年間、現在軽減税率の対象となっている飲食料品の消費税率を1%とするという議長案が示されました。

さらに2026年7月30日には、高市首相が飲食料品の消費税率引き下げについて方針を表明しています。政府広報でも同日の会見が公開されています。ただし、ここで注意が必要です。

社会保障国民会議の中間とりまとめでは、物価高や税・社会保険料負担に苦しむ中低所得者への対応が必要という認識は共有されたものの、具体的な対応策については意見の一致に至りませんでした。 1%案以外の意見も併記されています。

そのため、2026年8月時点では、現在:8%、政府・与党が進める方向:2027年4月から2年間1%、と分けて理解することが重要です。税法改正等が行われるまでは、現在の8%・10%で店舗運営を行います。

消費税1%は「1%引き下げ」ではない

表現にも注意しましょう。今回検討されているのは、8% → 7% という「1ポイント引き下げ」ではありません。現在8%となっている軽減税率対象の飲食料品について、8% → 1% とする案です。

さらに1%相当分の範囲内で所得に連動した給付を行い、全体として飲食料品に係る消費税負担の「実質ゼロ化」を目指す考え方が議長案として示されています。

1%の対象は何になる?

議長案では、現在軽減税率の対象となっている飲食料品を1%とすることが示されています。現在の軽減税率対象は、酒類・外食を除く飲食料品などです。

そのため、現在示されている案を前提とすれば、

商品・提供方法現在1%案が実施された場合
店内飲食10%10%※
テイクアウト8%1%※
デリバリー8%1%※
酒類10%10%※
ケータリング原則10%原則10%※

※2026年8月時点で示されている方向性をもとにした整理であり、正式な法改正後の制度内容ではありません。

つまり、現在は店内飲食10%・テイクアウト8%で2ポイント差ですが、制度がこの形で実施されれば、店内飲食10%・テイクアウト1%で9ポイント差となる可能性があります。

消費税率1%で飲食店にどんな影響がある?

飲食料品の税率が1%になった場合、飲食店では単にレジの税率を変更するだけでは済まない可能性があります。社会保障国民会議の議論でも、外食産業への影響を見極めたうえで資金繰り支援等を検討することや、消費税率の変更に柔軟に対応できるシステムの普及促進が挙げられています。

店内飲食とテイクアウトの価格差

特に影響が大きいのが、店内飲食とテイクアウトを両方提供する店舗です。

現在は、

店内飲食:10%
テイクアウト:8%

ですが、現在示されている方向で制度化された場合、

店内飲食:10%
テイクアウト:1%

となる可能性があります。その場合、テイクアウトと店内飲食の税率差が大幅に広がります。価格表示や税込価格をどう設定するのかも含め、店舗側で事前に検討する必要があります。

POSレジ・券売機の設定変更

税率変更が決まれば、

  • POSレジ
  • 券売機
  • モバイルオーダー
  • デリバリーシステム
  • 商品情報
  • 会計システム

などの設定変更が必要になります。

今回1%という税率が検討された背景の一つにも、0%とする場合のシステム対応があります。国民会議では、税率変更に柔軟に対応できるシステムの普及促進も検討事項として示されています。

インボイス・会計処理

税率が変更されれば、レシートや請求書、会計処理などへの対応も必要になります。複数税率を扱う飲食店では、「どの商品・取引に何%を適用したか」を正確に管理できる環境がさらに重要になります。

外食産業への影響

飲食料品だけが1%になり、外食が10%のままとなれば、スーパーやコンビニなどで食品を購入する場合と飲食店で食事をする場合の税率差が拡大します。社会保障国民会議でも外食産業への影響が論点となっており、影響を見極めたうえで資金繰り支援等の予算措置を検討するとされています。

したがって飲食店にとっては、単なる「減税」のニュースではなく、価格設定・テイクアウト戦略・POS対応・収益管理まで影響する可能性がある制度変更として注視する必要があります。

飲食料品の消費税率引き下げについて、政策の経緯や飲食店への影響をさらに詳しく知りたい方は、関連記事もご覧ください。

ASPITで店舗の売上情報を一元管理

店内飲食とテイクアウトなど複数税率を扱う飲食店では、POSレジ等で処理した売上情報を本部側でも確認できる環境を整えておくことが重要です。特に複数店舗を運営している場合、店舗ごとに売上情報を個別管理していると、本部側の集計・確認業務が煩雑になりやすくなります。

ASPITの売上管理では、25社以上のPOSレジ・券売機と連携し、全店舗の売上情報を一括管理できます。翌朝には全店舗の売上データが集計され、さらに発注・勤怠との連携によって原価率や人件費率も自動算出できます。

またASPITでは、

  • 売上管理
  • 発注・買掛管理
  • 勤怠管理
  • シフト管理
  • 在庫・棚卸管理
  • 損益管理
  • 請求管理

などを連携できます。

複数店舗の売上情報をまとめて管理したい方へ

ASPITならPOSと連携して全店舗の売上情報を一括管理。売上・発注・勤怠などのデータを連携し、本部と店舗の管理業務を効率化できます。

飲食店の消費税に関するよくある質問

飲食店の消費税は何%ですか?

2026年8月現在、店内飲食は原則10%です。一方、酒類を除く飲食料品のテイクアウトやデリバリーは原則8%です。

テイクアウトはなぜ8%なのですか?

酒類・外食を除く飲食料品の販売が軽減税率の対象となっているためです。テイクアウトは「外食」ではなく、原則として飲食料品の販売として扱われます。

デリバリーは8%ですか?

料理を届けるだけの出前・デリバリーは原則8%です。一方、指定された場所で配膳や給仕などを行うケータリングは原則10%です。

お酒をテイクアウトした場合は8%ですか?

いいえ。酒類は軽減税率の対象外なので、持ち帰りの場合でも10%です。また、飲食店が酒類をテイクアウト販売する場合には、酒類小売業免許が必要となる場合があります。

店内飲食とテイクアウトで同じ税込価格にできますか?

税込価格を同一に設定することと、税務上どの税率を適用して処理するかは別の問題です。店舗側では実際の取引に応じた税率区分を正しく管理する必要があります。

2027年4月からテイクアウトは1%になるのですか?

政府・与党では、2027年4月1日から2年間、現在軽減税率の対象となっている飲食料品の税率を1%とする方向で検討が進められています。ただし、社会保障国民会議では具体案について意見の一致には至っておらず、2026年8月時点の現行税率は8%です。正式な制度内容については、今後の法改正等を確認する必要があります。

店内飲食も1%になるのですか?

現在示されている案は「軽減税率の対象となっている飲食料品」を1%とするものです。店内飲食は現在、軽減税率の対象ではありません。したがって、現在示されている案を前提にすると店内飲食は対象外となります。ただし、最終的な制度内容は法改正後に確認する必要があります。

まとめ

2026年8月現在、飲食店に関係する消費税率は、

店内飲食 → 10%
テイクアウト → 8%
デリバリー → 8%
ケータリング → 原則10%
酒類 → 10%

となっています。

ポイントは、「何を販売したか」だけではなく、どのような方法で飲食料品を提供したかによって税率が変わることです。さらに今後は、飲食料品の消費税率引き下げにも注意が必要です。

政府・与党では、2027年4月1日から2年間、現在軽減税率8%が適用されている飲食料品を1%とする方向で検討が進められています。一方、社会保障国民会議では具体案について意見の一致には至っておらず、2026年8月時点では現行の8%・10%が適用されています。今後制度が実施されれば、飲食店ではPOSレジや券売機、価格表示、インボイス、店内飲食とテイクアウトの区分など、幅広い対応が必要になる可能性があります。制度の最新情報を確認するとともに、税率変更にも対応できる店舗管理体制を準備しておきましょう。

複数店舗の売上・発注・勤怠管理をもっとシンプルに

ASPITは、売上・発注・勤怠・シフト・在庫など、飲食店運営に必要な業務を一元管理できるシステムです。「店舗ごとの管理業務をまとめたい」「本部の集計作業を効率化したい」という方は、ASPITの機能や活用方法を資料でご確認ください。

おすすめ記事

Recommend

× 資料請求はこちら 資料請求はこちら
TOP