飲食店のワンオペ営業とは、1人でお店を切り盛りすること。すべての業務を1人で行うため負担はありますが、さまざまなコストを削減できるため利益アップにつなげられる可能性があります。本記事では、飲食店のワンオペ営業のメリットやデメリット、営業のコツなどを紹介します。
飲食店のワンオペとは?
飲食店のワンオペ営業とは「ワンオペレーション営業」の略語で、その名の通り1人でお店の営業をすることをいいます。
ワンオペ営業では、飲食店の営業に必要な開店準備から接客、調理や清掃、事務作業まですべての業務を1人で切り盛りしなければいけないため負担が大きいのが特徴。その分コストを削減できるので、業務量とコストが見合っているかによって、ワンオペ営業にするかどうか決めるのがよいでしょう。
飲食店のワンオペ営業は違法ではない
飲食店のワンオペ営業は違法ではありません。飲食店の従業員数は法律で定められていないため、経営者が1人で営業をしていても法に触れることはありません。一方で、ワンオペ営業では1人にかかる負担が大きく、労働環境が問題視されることがあるので注意が必要です。
たとえば、6時間以上の業務を行う場合は、少なくとも45分間の休憩を取ることが労働基準法34条で定められています(※)。しかし、ワンオペ営業では急な対応が発生した際に業務を任せられる人がいないため「結果的に休憩を取れなかった」ということも起こるかもしれません。
法律に触れることがないよう、経営者が1人でも労働基準法の範囲内で業務ができるか、きちんと確認することが大切です。
※"厚生労働省 公式HP"参照
ワンオペ営業のメリットとデメリットを紹介
ここからは、飲食店のワンオペ営業のメリットとデメリットを紹介します。
営業をはじめる前にきちんとメリットとデメリットを理解し、自身の店舗でもワンオペ営業を取り入れるべきか検討しましょう。
ワンオペ営業のメリット
1. 人件費を抑えられる
人件費を抑えられることが、ワンオペ営業の最大のメリットの1つです。一般的に、人件費と食材原価がコストの半分程度を占めるといわれる飲食店。ワンオペ営業にすることで人件費を削れるので、コストを大幅に減らすことができます。
これまでかかっていた人件費をすべて収益にできるので、ワンオペ営業は利益率を上げたい飲食店経営者にとっておすすめの手法といえます。
2. スタッフ確保のための手間や時間がかからない
飲食店のスタッフを確保するためには人材の募集から採用、育成まで、コストと時間がかかります。人材不足が叫ばれる現在、採用するだけでも大きな労力がかかるでしょう。
ワンオペ営業では、人材を確保するための手間や時間がかからないので「募集しても人が集まらない」「せっかく採用して育成したのに辞めてしまった」といった問題が起こりません。
3. すべて自分の裁量で営業できる
ワンオペ営業では、すべての業務を自分の裁量でできるのもメリットの1つ。スタッフとの意見の食い違いや、ミスコミュニケーションの心配がないのが特徴です。
どのメニューを提供するか、どのような接客をするか、いつ営業するかなど、店舗の営業に関わるすべてのことを自分で決定できるのが魅力といえます。
4. 小さな規模でのスタートでリスクが少ない
ワンオペ営業では、人件費がかからないため小さな規模でスタートできるのもメリットの1つ。ほかにスタッフがいないため事業計画が立てやすく、万が一営業が上手くいかず事業を見直すことになった場合にも、柔軟に対応しやすいでしょう。
「まずは小さく飲食店経営をはじめてみたい」という方におすすめなのがワンオペ営業です。
ワンオペ営業のデメリット
1. かかる負担が大きい
飲食店のワンオペ営業のデメリットは、業務量が多く大きな負担がかかること。掃除や仕込みなどの開店準備から、配膳から会計、皿洗いや片付けまで、1人ですべての業務を担うことになるので体力的に負担がかかります。
また、万が一トラブルが発生したときも頼れる人がいないことは、精神的なプレッシャーにも繋がります。従業員を雇ってワンオペ営業を任せる場合には「採用したけどすぐにやめてしまった......」ということにならないよう、労働環境をしっかりと整え、身体面でも、精神面でも負担を減らす工夫が必要です。
2. 緊急時に1人で対応しきれない
クレーム対応や設備の故障など、飲食店経営をしているとイレギュラーなことが発生します。ワンオペ営業では通常の業務をしながらそういったことに対処する必要があるので、サービスの質を安定させるのが難しいといえるでしょう。
また、ワンオペ営業では、無銭飲食をはじめとした犯罪にもすぐに対応しにくいのが特徴。加えて、多くの従業員がいる店舗よりも、ワンオペ営業の店舗の方が犯罪のターゲットにされやすいので、事前に防犯対策をしておくことが大切です。
3. 経営状況を見直す時間がない
飲食店の経営者自身がオペレーションを行う場合には、日々の業務で手一杯になってしまい、経営状況を見直す余裕がなくなってしまうのもデメリットの1つ。
飲食業界で成功するためには、常にメニューやサービスの改善や、コストの見直しをして、世間の変化に対応していかなくてはいけません。毎日の営業に追われて経営状況の見直しを疎かにしてしまうと、結果的に経営が上手くいかなくなることもあるので注意が必要です。
ワンオペ営業で売上を増やすコツを紹介
これまで紹介してきたように、ワンオペ営業にはメリットだけでなくデメリットもあるので、成功させるためにはさまざまなことに配慮したり工夫をしたりする必要があります。
ここからは、ワンオペ営業で売上を増やすコツを紹介していきます。
ワンオペ営業に合った物件を選ぶ
先述の通り、ワンオペ営業では調理から皿洗い、接客まで一手に行うので、効率的に業務を行える環境であることが大切。
そのため、飲食店を1人で切り盛りする場合は、料理の配膳時間を短縮できるカウンター形式がおすすめです。加えて、調理から配膳、皿洗いをはじめとした片付けまで、あまり移動せずに行えるよう、食器棚や調理器具、ゴミ箱の設置位置も工夫するとよいでしょう。
シンプルなメニューを提供する
さまざまなタスクを抱えるワンオペ営業では、メニューをなるべくシンプルにしましょう。調理方法が異なる料理を出すには手間と時間がかかるので、品数を絞ったり、コースのみにしたりするのがおすすめです。
たとえばスープや麺などのベースが同じなラーメンや、どのネタも調理の工程が似ている寿司店、盛り付けがシンプルなカレー店などは、ワンオペ営業にぴったりです。
業務を効率化できるツールを活用する
飲食店のワンオペ営業は業務量が多いため、業務を効率化できるツールを活用するのもおすすめ。
スムーズな会計をサポートしてくれるキャッシュレス決済や、売上や利益の管理をしてくれるシステムを導入することで、集計業務や会計業務などの作業時間を短縮でき、効率的に店舗経営ができます。
ワンオペ営業には業務支援システム『ASPIT』がおすすめ
ワンオペ営業を行うため、飲食店経営を手間なくスムーズに管理したい方には「業務支援システム」の導入がおすすめです。
『ASPIT』は外食に特化したシステムとして、あらゆる業態で柔軟に利用できるのがポイント。発注や売上管理はもちろんのこと、勤怠や調理工程表といったさまざまな業務を支援してくれるシステムです。
飲食店経営に関わるさまざまな情報を情報を一元管理できるため、これまでのデータや傾向をチェックしやすいのも大きな魅力。業務の手間を減らしたい飲食店経営者だけでなく、データ分析に力を入れたい方にもおすすめです。
ワンオペ営業に役立つ機能を自由に選べる
『ASPIT』は、利用したい機能だけを自由に選べるのも魅力の1つ。
ワンオペ営業の経営者の「食材発注や棚卸しの手間を削減したい」という悩みには「発注・買掛管理」や「在庫・棚卸し管理」の機能、「経理の作業に時間がかかる」という悩みには「売上管理」や「損益管理」の機能というように、必要な機能だけを選べます。
24時間265日電話サポートに対応しているので、ワンオペ営業の合間に対応してもらえるのもうれしいポイントです。
ワンオペ営業に役立つASPITについてもっと知りたい方は、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
メリットやデメリットを理解してワンオペ営業をしよう
飲食店のワンオペ営業について紹介しました。飲食店のワンオペ営業は、人件費を削減して1人の裁量で営業の判断ができるのが魅力。一方で、ワンオペ営業は身体的にも精神的にもかかる負担が大きく、緊急時の対処に苦慮する恐れがあることも理解しておくことが必要です。
本記事で紹介した、メリットやデメリットから、ワンオペ営業のコツ、ワンオペ営業におすすめのツールを活用して、ぜひワンオペ営業を検討してみてください。