Column

コラム

飲食店のデータ活用・DXは何から始める?POS・発注・シフトから始める店舗改善

業務改善

飲食店の運営でも「データ活用」や「店舗DX」という言葉を耳にする機会が増えています。 しかし、データ活用と聞くと、難しい分析や専門的なシステムをイメージしてしまい、「うちの店舗にはまだ早い」「何から始めればよいかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。 実は、飲食店のデータ活用は特別な専門知識から始める必要はありません。 結論から言えば、まずはPOSや売上データだけでなく、日々の「発注」「在庫・棚卸」「シフト」といった現場の業務データを見える化・見直すことから始めるのが最も効果的です。

飲食店のデータ活用は“現場の業務改善”に使うもの

データ活用というと、経営会議で使う大きな分析や専門部署が行うレポート作成を想像しがちです。しかし飲食店において最も重要なのは、日々の店舗運営を少しずつ良くするためにデータを使うことです。

例えば、データは次のような日々の判断・改善に役立ちます。

  • どの商品がよく売れているか(売れ筋の把握)
  • どの時間帯に人員を増やすべきか(シフトの最適化)
  • どの食材が余りやすいか(食材ロスの削減)
  • 発注量が適正か(過剰在庫・欠品の防止)
  • 店舗ごとに原価率や人件費率に差がないか(多店舗比較)

こうした日々のデータを正しく確認できるだけでも、発注量の見直し、シフト調整、在庫削減、ロス防止などの具体的な店舗改善にすぐ繋げられます。

なぜ「POSデータ」だけでは不十分なのか?

飲食店で活用される最も代表的なデータが、POS(売上データ)です。 POSデータを見れば、商品別の販売数、時間帯別の売上、客数、客単価などを正確に把握できます。

ただし、売上データ(POS)だけでは店舗の利益構造すべては見えてきません。 例えば、次のようなケースです。

  • 売上が高くても、裏で食材ロスが増えていれば利益は残りにくい
  • 売れ筋商品が欠品していれば、本来得られたはずの売上(販売機会)を逃している
  • 売上に対してスタッフを多く配置しすぎていれば、人件費率が上がり利益を圧迫する

売上という「入り(収入)」のデータだけでなく、仕入・在庫・人件費という「出(コスト)」のデータを組み合わせて見ることで初めて、本当の店舗課題が浮き彫りになります。

1. 発注データを活用した過剰在庫・コスト削減

毎日行う発注データを確認すると、仕入金額や発注量の変化が見えてきます。

例えば、売上金額が大きく変わっていないのに発注量だけ増えている場合、過剰在庫や調理廃棄が発生している可能性があります。また、担当者によって発注量に差がある場合、発注基準が属人化(カンや経験に頼った発注)しているサインです。

発注データを活用することで、次のような改善が可能です。

  • カン・経験に頼らない適正な発注量の維持
  • 欠品しやすい商品の事前把握
  • 仕入価格高騰によるコスト変化の早期発見
  • 発注担当者ごとのばらつき削減

発注は毎日の業務だからこそ、わずかな見直しが毎月の原価率・利益率に大きく貢献します。

2. 在庫・棚卸データを活用した食材ロスの削減

在庫や棚卸のデータは、飲食店の利益を直接削る「食材ロス」の削減に直結します。

在庫が多すぎる商品は廃棄や賞味期限切れのリスクが高まり、少なすぎる商品は欠品による機会損失を招きます。また、棚卸を行うことで「帳簿上の理論在庫」と「実際の実在庫」のズレ(棚卸差異)に気づくことができます。

在庫・棚卸データを活用すれば、以下の改善が進みます。

  • 過剰在庫・滞留在庫の削減
  • 賞味期限切れや調理廃棄の防止
  • 棚卸差異(盛り付けブレや伝票つけ忘れ等)の原因特定
  • キャッシュフロー(資金繰り)の改善

在庫は「形を変えた現金」です。感覚ではなく数値をもとに適正在庫を維持することが重要です。

3. シフトデータを活用した人件費の適正化

人件費コントロールにおいても、シフトデータの活用は欠かせません。 シフトを作成して終わりにするのではなく、売上予測や過去の来客数と照らし合わせることで、人件費率の最適化につながります。

例えば、アイドルタイム(暇な時間帯)に人員が過剰になっていないか、逆にピークタイムに人手不足で残業が増えていないかを数値で把握できます。

シフトデータを活用した主な改善ポイントは以下の通りです。

  • 売上・客数予測に応じた適正なシフト配置
  • 人時売上高(従業員1人が1時間あたりに稼ぐ売上)の向上
  • ピークタイムの人手不足・機会損失の防止
  • 特定のスタッフへの負担偏りの解消

単に人件費を削減するのではなく、適切な人員配置によって接客品質を守り、スタッフの働きやすさを高めることが目的です。

データ活用は「小さく始める」のが成功のコツ

データ活用を始めるとき、最初からすべてのデータを複雑に分析しようとする必要はありません。日々の店舗営業で起きている「一番気になる課題」から順番に確認するのがおすすめです。

  • 廃棄・ロスが多い: 発注量と在庫・棚卸データを確認する
  • 人件費が高い: 時間帯別の売上とシフトデータを確認する
  • 欠品が多い: 販売数と発注タイミングを確認する
  • 店舗ごとの利益差が大きい: 各店の原価率・人件費率を比較する

課題に合わせて「見るべきデータ」を1つに絞ることで、現場も迷わず改善アクションを起こせます。

まとめ

飲食店のデータ活用は、難しい統計分析から始める必要はありません。 POS(売上データ)に加えて、「発注」「在庫・棚卸」「シフト」などの業務データを確認・連携させることで、原価・人件費・ロスの削減に大きく貢献します。

まずは自社店舗の気になる課題からデータの見える化を始め、ASPITを活用して利益が出る強い店舗経営・店舗DXを目指していきましょう。

おすすめ記事

Recommend

× 資料請求はこちら 資料請求はこちら
TOP